診療現場からの報告

第293話:ED治療薬が欠品?[カウンセラー/森下]

2021年は多くのジェネリックメーカーが行政処分を受けるという、製薬業界にとっては激動の一年でした。
なかでも小林化学、日医工には長期にわたる業務停止命令(小林化学116日間/日医工32日間)が下され、数多の薬剤の供給がストップしてしまいました。当然、この間も医療機関では薬は処方され続けるため、代替薬品に需要が集中し、沢井製薬や東和薬品では出荷調整が行われる事態となりました。
また、11月29日に大阪の舞洲にある物流センターの火災で大量の医薬品が焼失したことも事態に拍車をかけ、ジェネリック医薬品(後発医薬品)を中心に3000品目以上の薬剤で欠品、出荷停止、出荷調整供給が続くという事態が引き起こりました。
こうした影響から、ジェネリック医薬品のED治療薬(シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル)とAGA治療薬(フィナステリド、デュタステリド)では、不安定な供給が続いています。当院でも11月~12月は薬の入荷が遅れに遅れ、危うく欠品がでそうになりました。2月現在でも状況は変わっておらず、どのメーカに状況を聞いても供給が安定するには2年~3年かかるという事です。
当院においては複数メーカーのジェネリック医薬品を採用することで、在庫は潤沢に確保しております。今のところ患者様にご迷惑をおかけすることはございませんので、ご安心ください。