診療現場からの報告

第200話:梅毒感染者がまた増えています@ [カウンセラー/森下]

【梅毒感染者の増加について】

10月31日の国立感染症研究所の発表以来、梅毒の感染が拡大しているというニュースをよく見かけます。実は、梅毒感染者増加というニュースは、毎年流れていたんです。ご存知でしたか?

近年、日本での梅毒の感染は減少傾向にあったものの、直近10年は増加傾向にありました。ただ、ここ数年の増加はちょっと看過できない傾向にあります。

国立感染症研究所の発表を見ると、梅毒感染者数は2010年までは年間900人未満で推移していました。しかし、2013年(平成25年)には1228人に急増し、2016年(平成28年)には4559人と42年ぶりに4000人を超えるまでに増えました。さらに2017年は10月22日の時点ですでに昨年度を上回っています。
増加前の2012年(平成25年)と比較すると、たった4年で5倍以上増えているのですから驚きです。

都道府県別でみても、例年通りトップは東京。次いで大阪、愛知、神奈川、福岡と大都市が占めています。ただ、今年は地方での患者の増加が目立っており、岡山、熊本、広島、香川、青森、山口では昨年の2倍〜3倍を超えた感染者数となっています。

当院でも梅毒についての問い合わせをいただくことが出てきました。梅毒が過去の病気ではないという認識が少しずつは強まって来ているのかと思います。

梅毒の症状や感染経路などについては、改めてお伝えさせていただきます。