診療現場からの報告

第70話:勃起のメカニズム [カウンセラー/川畑]

先日、ED治療に関するご相談にご夫婦で来院され、奥様から「大きくなったり、小さくなったりするのは、どんな仕組みなんですか?」という質問を受けました。 
男性の患者さんからも、同じ質問を頂くことが多いので紹介させて頂きます。

簡単に説明すると、ペニス(海綿体)に血液がたくさん流れ込んで膨らました(充血)状態が“勃起”となる訳ですが、この状態を作り出しているのが、“サイクリックGMP”というものです。

脳が性的刺激を感じると(第65話:“大脳辺縁系”の話 で院長が書いていますが)、そこからの信号によって、“サイクリックGMP”が血管を太くして、その結果血流量を増やし、ペニスにどんどん血液を送り込む事で、勃起状態が起こります。
逆に、勃起が収まっていくのは、“PDE5”が“サイクリックGMP”を分解し、血管を細くしてしまうことで血流量を戻し、普段の状態へ戻るようになっています。

通常は、“サイクリックGMP”と“PDE5”が上手く調整しあっているのですが、様々なこと(生活習慣病やストレス)が原因でバランスを崩して、勃起状態を保てなくなってしまう事があります。
これには、細川氏が書いている環境ホルモン(第68話:環境ホルモンがEDを招く?)も影響していると言われています。

ちなみに、ED治療薬バイアグラレビトラシアリスには“PDE5”の働きを抑える効果があるので、勃起状態を維持しやすくさせています。