診療現場からの報告

第26話:「亀頭の下の部分皮が裂けて性交できません。」 [院長/西川]

妊娠しやすいカラダづくり(不妊に悩むカップルの“後悔しない選択”のための応援サイト)に寄せられた御相談を一部紹介します。

「亀頭の下の部分の皮が裂けて性交できません」 30歳の女性の方より

▼ご質問・ご相談内容
性交渉をすると、夫の大事なところ(亀頭の下の部分と)の皮が裂けてしまうのです。夫は痛みを伴う為勃起していても途中で止めてしまいます。以前は、イボのような物もできた事があり出血することもありました。その時は自分でちぎりそれ以来イボはなくなりました。何か病気や菌におかされていないか心配です。どうすればよいかわかりません。アドバイスをお願いします。

▼結婚歴
3 年

▼避妊期間
0 年 0 ヶ月

▼不妊期間
3 年 10 ヶ月

▼結婚後これまでの経過を簡単にお書きください。
結婚したばかりの頃は、自然にできると思っていましたが、2年を越えた頃真剣に子供を意識し始めましたが授からず、2006年9月より不妊専門の病院へ通う事を決意。一通りの検査も終えフーナーテストで数が少ない事と、泳ぎが下手ですねと言われるが、特に問題はないとのことです。
前回と前々回はHCG5000を一回づつ注射しましたが妊娠にはいたらず、また生理を迎えました。

▼基礎体温表はつけておられますか?
はい

▼※つけておられればどのような推移を示しておられるか簡単に教えて下さい。
体温表は特に指摘はうけていません。 高温期は平均36.6℃くらい 低温期は平均36.2℃くらいです。

▼結婚後、お仕事はされていますか?
はい

▼不妊治療は受けておられますか?
はい

▼不妊治療期間は?
年 4 ケ月

▼今までどのような検査を受けられましたか?
ホルモン検査
子宮卵管造影
フーナーテスト

▼今までどのような治療を受けられましたか?
タイミング指導、ホルモン療法(HMG・HCG等の注射)

【回答者】 心斎橋中央クリニック 院長 西川 浩 先生

文面から察しますと、 おそらく、ご主人は包茎の一種、嵌頓包茎(カントン包茎と言います)かと思われます。

勃起時に、亀頭を露出させる事はできますが、亀頭の根元で締め付けが強いタイプのものです。 無理に剥こうとして、元に戻らずに腫れ上がってくる場合がありますし、締め付け部分(絞扼輪と言いますが)の皮膚が非常に弱く、 包皮炎をおこす場合が多々見られます。 

決して、珍しいことではありません。

実際に拝見しませんと確かなことは言えませんが、一般論では、適切な治療をによって問題なく性交できるようになると思います。

恥ずかしがらずに泌尿器科か形成外科で診察を受けられることをお勧めします。

このように、亀頭の根元で締め付けが強いと、その部分の包皮の可動性が少なく、 皮膚は薄く弱いため、性交渉によって裂けたりする事があります。 このような炎症を繰り返していると、それが感染の原因となったりして、包皮が肥厚してきて真性包茎となる場合もよく見かけます。 全てが治療を必要とする訳ではありませんが、その程度によってはかなり大変な事にもなりかねません。 やはり、信頼のおける医師に相談されるべきだと思います。