診療現場からの報告

第19話:根部切除手術について [院長/西川]

包茎の治療法のひとつに、余分な包皮をペニスの根元の部分で取り除く方法があります。ペニスの先端部分は全く触らないので、この方法を望まれる方が時におられるのですが、この根部での手術を他院で受けられたが、一向に包茎が改善しない(手術前と包茎の状態が全く変わらない、おまけに傷が目立ってしまった)との理由で来院される方が最近続きましたので、ちょっと詳しく説明します。

包茎については、幾つかのタイプがある事は、既に説明のとおりですが、包茎の悩みで来院される方の多くは、真性包茎あるいは、カントン包茎のタイプです。 これらの方は、ただ単に包皮が長すぎるだけが原因ではありませんので根部での切除手術の適応はありません(絞扼輪と呼ばれる締め付け部分の開放が必ず必要になりますので)。

となると、根部での手術が適応となるのは、ほとんどの場合、仮性包茎で、しかも何が何でも先端での切除を嫌う方(実は上手な手術であれば傷跡が目立ったり、その形状に違和感が出ることはないのですが)、となります。

実際のところは当院でも、包茎手術の大半は、亀頭直下埋没法で行いますが、ペニスが極端に先細りなタイプでさえなければ、上記のような仮性包茎の方であれば根部切除手術も一考には価すると思います。

冒頭にあげた、根部での手術を受けられて、全くよくなっていない方々についてのその原因ですが、診察してみると、完全に手術適応が間違っている、あるいは、医療側の説明不足、のいずれかです。 どうぞご注意下さい。